1996年5月
Southern Illinois University卒業
 
専攻 : マスコミュニケーション&メディアアーツ
 
1996年9月
大手ライフスタイル提案企業入社
 
 
1998年12月
留学カウンセラー
 
 
2000年4月
サイマル・インターナショナル入社
 
 
2001年4月
サイマル・ビジネスコミュニケーションズ
 
派遣コーディネーターとして、語学力を活かした就業を希望するバイリンガル人材の転職支援に従事。現在に至る。
 
 
 
 
私が通っていた高校(日本)は、生徒の3分の1が外国人、そして帰国子女が3分の1、私のような、いわゆる普通の日本人生徒が3分の1しかいないという、とても国際色豊かな学校でした。日常的に英語が飛び交う中、私は英語が話せない普通の高校生。「英語が話せれば様々な国の人とコミュニケーションが取れる」、日々の生活でそれを身近で体験していくうちに、真剣に英語を学びたい、英語が使えれば自分の可能性を広げることができる、と考えるようになっていました。そして高校卒業後の進路を決めるときに、両親に「留学したい」と相談したのです。

 私が留学したのは15年も前。当時はまだ今ほど留学が一般的ではなかったこともあり、両親もやはり日本の大学に通って欲しいと、初めは反対を受けました。それでも私はどうしても留学したかった。そして必死の説得の結果、「必ず4年間で卒業すること」「卒業後は必ず日本に戻ってくること」を条件に留学することを認めて貰いました。こうして高校卒業後、イリノイ州の大学へ留学。将来はテレビ局で働きたい、そんな漠然とした思いがあったこともあり、マスコミュニケーション&メディアアーツを専攻しました。

 
 
 
「言葉」の問題には現在留学中の多くの方が苦労していると思いますが、私も特別英語が得意だったわけではないので、最初は英語についていくだけでも大変でした。それに加えて海外の大学は、本当にしっかり勉強しないと単位が貰えない。ただ私は、4年で卒業すると両親と約束していたので、単位は絶対に落とせない。留学中は毎日とにかく必死に勉強していました。海外での生活、初めての一人暮らし、本当に色々な経験ができた留学ですが、勉強に関しては非常に苦労したことを覚えています。

 また、苦労と同じく、楽しいこともたくさんありました。中でも最も印象に残っているのは、多くの仲間と一緒に取り組んだ卒業制作です。私が専攻していたマスコミュニケーション&メディアアーツでは、卒業時に一つの映像作品を制作することが課せられました。大きなカメラを担いで、取材をして、映像を編集して、ナレーションを入れたり、BGMを入れたり、本当に一から全部制作しました。作業は深夜まで及ぶこともあれば、徹夜になることもしばしば。それでも多くの仲間と力を合わせ、一つのことを成し遂げたことは、忘れられない思い出となったとともに、大きな自信になりました。

 何とか無事に4年で大学を卒業することはできたのですが、ただ、こんな感じで卒業ギリギリまで勉強をしていたので、就職活動はさっぱり。まったく何もしていませんでした。留学の条件として両親と「卒業したら必ず日本に戻る」と約束していたのですが、実は卒業前には、願わくばアメリカに残って働きたいと、こっそりビザを取得していました。大学に紹介して頂いて、プラティカルトレーニーを利用してアメリカのテレビ制作会社で実務を経験させて頂こうかと考えていたのです。しかし、この作戦は見事に失敗に終わりました。というのも、私の卒業に合わせ、母親が旅行がてらアメリカまで迎えに来たのです。元々約束していましたし、これ以上親に心配をかけることもできない。もしまたアメリカへ行きたくなったら、その時は自分でお金を貯めて行けばいいと。こうして、若干の未練をアメリカに残したまま日本に連行されました(笑)。

 
 
 
というわけで、私の就職活動は日本に帰国してからです。帰国した際は、テレビ局やラジオ局を狙っていたのですが、私は5月卒業で、就職活動を始めたのは7月頃から。人気の職業であるテレビやラジオ局は、翌年の4月入社の新卒採用試験も、全社終わっていました。ただチャンスはあるかもしれないと、地方局も含め日本中のテレビやラジオ局に連絡をしてみました。しかし、残念ながら結果は全滅。人気のメディア関係の仕事では、予想以上に時期的な問題の壁が大きかったのです。もし採用して頂いた場合、入社するのは翌年の4月。大卒の同期入社の方たちよりも1歳上になってしまいます。何とか話しを聞いて頂けた局でも、大半は年齢を言った時点で断られてしまいました。

 そのような状況を受け、気持ちを切り替えて選んだのが大手ライフスタイル提案企業でした。この会社は映画や音楽や本やゲームなど、日常的なエンターテイメントをはじめ、常に新しいライフスタイルの形を提案していくことが事業内容でした。応募の理由は、この会社がテレビ制作会社と提携していたということ。もしかしたら一緒にお仕事が出来るかもしれない、そんな淡い願望が決め手でした。9月頃には内定を頂くことができ、それから翌年の4月、新卒で入社するまでの間アルバイト契約で働かせて頂きました。

 この会社では常に流行に敏感にアンテナを張り続け、とにかく多くの企画を作り出すことが求められました。毎日深夜近くまで働いて、とにかく激務でしたが、限られた時間で膨大な量の仕事をこなしたことで、パソコンをはじめ様々なスキルが身に付きました。また、この会社は、毎日朝礼を行い、上司は役職を付けて呼ぶなど、上下関係や規律にも厳しい会社でした。留学中は上下関係というものが全然なかったので最初はとまどいましたが、日本でキャリアを築いていく上で、貴重な体験でした。ここでの経験は本当に勉強になったことが多かったです。

 
 
 
この会社で2年近く経験を積んだ後、自分のキャリアを見直し、留学カウンセラーに転職しました。せっかく留学したのだから、留学経験を活かしたい、学んだ英語が使える仕事に就きたい、そう思ったのが転職した理由です。ここでは高校時代の自分のような、海外の大学への留学を目指す方々をサポートするのが仕事でしたので、まさに自分の留学経験を活かすことができました。また、幸いにも海外出張にも行かせて頂き、英語を使ってお仕事させて頂くことも多くありました。そして約2年間の留学カウンセラー経験を経て、2000年の4月、通訳・翻訳など国際コミュニケーションサービスを提供するサイマル・インターナショナルに入社。語学のプロフェッショナルを育成しているサイマル・アカデミーに配属、主に受講生のカウンセリングを行い、その1年後、現職のサイマル・ビジネスコミュニケーションズに出向となりました。

 当社は、バイリンガルの方を対象とした人材サービスを行っている人材紹介・派遣会社です。私は派遣コーディネーターとして、語学力を活かした転職を希望するバイリンガルの方々の転職支援をしています。自分自身、英語が活かせる仕事に就きたいとキャリアの方向転換を行い、それからより高度な語学力、豊富な知識が求められる職場へと転職してきました。そのため、自分と同じように語学が活かせる転職を希望する方々の役に立ちたかった、また社内から飛び出し、対外的なコミュニケーションが取れる仕事に就きたい気持ちがありました。

 
 
 
当社の最大の特徴は、先にお伝えしたとおり、語学力を活かせる仕事に特化した案件を多数揃えていることにあります。サイマル・グループは、主要国首脳会議やAPEC首脳会議など、重要な国際会議での通訳をはじめ、長年にわたり日本の通訳や翻訳を支えてきた実績から、通訳や翻訳のほか、日系、外資系を問わずバイリンガル人材を求める多くのクライアント企業とお付き合いをさせて頂いております。派遣コーディネーターとしての私の仕事は、登録スタッフとクライアント企業のマッチングはもちろん、自らクライアント企業へバイリンガル人材の必要はないか、提案も行っています。コーディネーター自らが営業を行なうことで、クライアント企業の社風や求める人物像を正確に把握することができます。これにより、登録スタッフとクライアント企業を最適にマッチングすることができるのだと思います。

 また、クライアント企業にお伺いしていると、社長様など、会社のTOPの方と直接お話しさせて頂けることも多くあります。私は今年で入社して8年目。登録スタッフのピンポイントのマッチングを通して、多くのクライアント企業と信頼関係を築き上げることができました。今では、直接会社のTOPの方から私宛に「スタッフさんを紹介してよ」とお電話を頂くこともあります。こうしたお電話を頂いた時は、「あぁ、信頼してもらっているんだな」って、この仕事のやりがいを感じます。そして何より嬉しいのは、登録スタッフから「良い企業を紹介して頂いてありがとうございます」と言ってもらえた時。そう言って下さるスタッフは、ご紹介先でも本当に頑張って下さいます。すると、今度はクライアント企業から「スタッフさん、すごく頑張ってくれているよ」って。私たちの仕事は、登録スタッフとクライアント企業、両方にマッチングして始めて成立するんだなと、つくづく思います。

 
 
 
扱っている求人案件の特性上、当社には海外から帰国して登録いただくスタッフも多くいらっしゃいます。現在、海外で生活している皆さんの中にも、いずれは日本への帰国をお考えになられている方も多いと思います。もし、実際に日本での転職をお考えになられた際は、『自分には何ができるのか』、これをぜひ考えてみて下さい。

 現在の日本は、雇用情勢自体は決して良くありませんが、英語が使えるバイリンガル人材の需要は依然高いと思います。しかし、海外の企業にしか勤めた経験がない方が日本の企業に転職する際、正直難しい部分もあります。海外の企業でお仕事していたということは、外国人の方が多い中でお仕事なされていたわけですから、それが武器になることももちろんあります。ただ、日本の企業でお勤めになられたことがないことが、逆にネックになることも実はあるのです。ただ、バイリンガル人材の需要が高いのは事実です。重要なのは海外での実績ではなく、自分に何ができるのかをしっかり整理すること。「海外でこんな実績を積んできたんだ」と、海外での実績をウリにするのではなく、自分はそこでどんなスキルを身に付けて、その企業に入ったら何ができるのかをしっかり整理することが重要です。それがしっかりとアピールできれば、絶対に良い企業との巡り合わせがあると思います。

 先日ご相談を受けた方も、「日本には英語が使える仕事が全然ないんですけど」と。これは本当に良く受けるお問い合わせで、私はいつも「そんなことないですよ」と答えるのですが、この方も「情報がない、仕事がない」とおっしゃっていました。そして、何がやりたいのかをお尋ねすると、「英語力を活かして通訳をやりたいです」と。それで、「通訳のご経験はありますか?」と聞くと「経験はありませんが、アメリカの大学院を出ています」とのご返答でした。「通訳がやりたい」という希望はある。これは素晴らしいことだと思います。しかし重要なのはその後、そのために自分は○○をやってきた、こんなスキルがある、「通訳ができる」ということに関して、自分でアピールできる何かを用意しておくことです。例えば、学校で通訳の訓練を受けていた。その際、実際に○○というイベントで通訳をやってみました。前職では役員の海外出張に同行し、通訳を任されていたなど、どんな些細なことでも、何かしらアピールできることがあれば何とかなるかもしれません。しかし、「仕事がありません」「転職できません」「海外経験があるから」と、ただ待っているだけの姿勢では、希望に適った就職・転職は難しいと思います。

 皆さんには「英語が使える」「海外での職務経験がある」という素晴らしいスキル・経験があるのですから、それを活かさない手はありません。もっとリサーチ力を磨いて、自分からアンテナを張り、自分が就きたい業種ではどういう人材が求められているのか、果たして自分は求められている人材になっているのかということを、まずはしっかりと自分で把握することをやってみて下さい。そのアドバイスのお手伝いでしたら、ぜひさせて頂きたいです。

 
 
 
 
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