2001年
早稲田大学
 
 
大学2年生(19歳)
アリゾナ州のレイクパウエル国立公園で宿泊施設スタッフとしてアルバイト
 
 
大学3年生(20歳)
アラスカの宿泊施設スタッフとしてアルバイト
 
 
大学4年生(21歳)
ハワイのウォーターパークでガイドのアルバイト
 
 
2005年
株式会社エイチ・アイ・エス、お客様の4~5割が外国人という六本木ヒルズ店に勤務。
 
 
 
 
 
海外でアルバイトをしてお給料がもらえるという、ワーク&トラベルという制度を利用して、大学2年と3年と4年の時に夏休みに2ヶ月位ずつ行ってきました。

 最初行ったのはアリゾナ州のレイクパウエルという国立公園。世界中から色々な国の人が来てて、ひとつの寮で暮らしながら、一緒に働くんです。もともと私はすごくアメリカが好きで、英語が大好きで、ただの旅行じゃお金も使うし、そんなに長くもいられないということで、このプログラムをみつけて、お金も稼げるし、長くいれるし、英語も学べるし、私にはぴったりだ!と思ったんです。

 でも、実際に行ってみたら、超ギャップでしたね(笑)まず、仕事がホテルのハウスキーパーで、トイレとか掃除しないといけないんですよ。なんでアメリカまできてトイレ掃除なんだ!? もうありえない!って感じでした。
でもそういうのが1週間続いてたんですけど、寮には他にも世界中からいろんな人が来ていて、仲良くなるにつれてどんどん楽しくなってきましたね。

 学んだことも多かったです。色々な国の人の話を聞いてみて分かったのですが、私は世界を知らなすぎたんです。私は「アメリカ、アメリカ、ワーイ」なんていう気持ちで行ってたんですけど、ほとんどの人はお金を稼ぎに来ていたんですよ。彼らはそこで稼いだお金を親に送ったりして、ただアメリカを体験しに来ている私とは、全く目的が違ったんですよね。

 仲良くなった人たちのなかにポーランドの人がいて、すごく優秀な人なんですけど、母国では仕事がないんですよ。あったとしても、お給料の平均が月に3~4万。それがすごくショックで私は恵まれたところに生まれたんだなって実感しました。

 それから次の年の夏休みには、アラスカに行きました。1回目は、日本人が何人かいたので、今度は一人でチャレンジしたいと思って、一人で乗り込んでいったんです。そしたら本当に日本人一人だけでしたね。1ヶ月半、日本語を一切しゃべらない生活でした。ここは本当に辛かった。言葉以外にも私は気候が辛くて、寒いし、雨降るし、暗いし…。でも、2週間もすれば友達もでき、あぁすごい楽しい!っていう感じにはなったんですけどね(笑)。

 その次の年はハワイのウォーターパークでガイドの仕事をしました。アラスカでは本当に大変な思いをしたし、その頃は就職も決まっていたので、思う存分楽んできました。

 
 
 
就職活動中に面接でよくワーク&トラベルのことを聞かれましたが、私は海外で色々な体験ができたことが自分自身の自信に繋がっていると思います。経験そのものは単なるエピソードとして話すネタに困ることはありませんでしたが。
私は自分に自信をもってやってるからこそ、毎日を楽しめると思うんです。それまでの私はここまで自分に自信をもって何かをやりたいって言えるタイプではなかったと思います。辛かったこと、大変だったことを乗り越えて、他の人はやっていない経験をしてきたっていうことが自信になっているのかなっていう気がします。
 面接ではよくこれまで何をしてきたかということを聞かれました。それに対して、何を学び、それによってどう成長してきたかが重要だと思います。
「○○をやってきて、成長しました」というと「どういう風に成長したの?」って言われるんですよ。そういう時には「世界中のいろんな人に会って、今まで知らなかったことを学べました」とか、色々答えを用意しておくんです。会社ごとに、カラーがあると思うんですね。その会社がどういう人を必要としているかというのは、募集要項に書いてあるじゃないですか。
例えば柔軟性がある人が欲しいと書いてあったとして、私のエピソードの中で言えば、アラスカで最初は辛かった、私はその辛い状況で過ごすのが嫌だったので、どう自分を変えていこうとしたのかという事を言えるようにしていって、友達を作るために、自分から進んで話しかけていったとか、仕事を変えてみようと、積極的に自分で行動して、最終的にはいい結果を得られて帰ってきましたっていうようなことを、会社が求める人物像に合うように言いました。私は、変えられる力がありますと。

 
 
 
就職を考えた時、当然私はアメリカで働きたいという思いがあったんですが、とりあえず日本で3年やろうって決めたんです。せっかく大学まで行かせてくれた親にも申し訳ないと思うし、向こうで働くためにも日本での社会人経験も必要かな、とか色々現実的に考えて。

 最初は海外に進出しているメーカーとか考えていたんですが、私は旅行が大好きなんだし、旅行業界であれば、向こうに行くチャンスが多いんじゃないかって思ったんです。それでH.I.S.を受けたら、内定もらって、そうしたら私ってH.I.S.向いてるんじゃないか、ここは私が行くべき所なんじゃないかと思い、今に至るんですけどね。

 今は、H.I.S.の六本木支店で働いてますが、私って運がいいんですよ。内定者懇談会の時に人事の人に「私は英語が大好きです。なので外国人のいっぱいいる所に行かせてください」って言ったんです。そしたら六本木支店に配属になって。実際六本木支店はお客さんの4、5割が外国人なんです。大好きな英語を使えて、かつ大好きな旅行を扱えて、毎日すごく楽しいですね。上司にも恵まれて、本当に理想的な環境。本当に入ってよかったなって思います。
 でも今思ってることは、やっぱり海外に行きたいです。社内で海外公募っていうのがあって、成績がいいと、それに立候補できる資格がもらえるのでがんばっていますが、当初の予定どおり、日本では3年。H.I.S.として行けるチャンスがなければ、自分でビザを取って行くと思います。

 1週間前に、アメリカにいいなって思っているところがあって、こっそり見に行ったんです。久々にアメリカに行ってみて思ったのは、学生の頃とはちょっと気持ちが変わってきてて、「私、絶対ここで働きたい!」とは思わなかったんですね。歳を重ねてきて、アメリカという場所が普通になってきたのかもしれません。 それにこの2年の間に、日本を色々見る機会があって、改めてここが今自分がいる場所だと思うと、すごいいい場所だって思うんですよね。前は日本はちっぽけな国だなんて思っていたんですが、世界の色々な人と接するうちに、日本人で良かったって思うことがあります。

 でも20代の今、一番自分がしたいことができる時に、それは日本にはないと思っていて、気持ちは落ち着いたものの、やっぱり海外に行こうと思います。きっと今がチャンス。来年には3年くらい海外に行こうと思います。最終的には日本に戻ってきたいとは思っていますけど。
戻れる場所があるからこそチャレンジできる、そんな気がします。