1996年
京都大学法学部
 
 
1996年~
旧海外経済協力基金(OECF:現国際協力銀行)
南カリフォルニア大学大学院  MPA(公共経営学)、Macc(会計学)を取得
 
2001年~
ボストンコンサルティンググループ(BCG)
 
実行型のプロジェクトを中心にポートフォリオ改革、プロセスマネージメントを担当
 
2004年~
株式会社ナチュラルローソン
 
人財開発部総括として採用、研修、人事管理を行う。
また、マーケティング企画部総括として販売計画、販売促進、店内装飾、顧客囲い込みなどの企画も行っている。
関連会社ナチュラルビート社外取締役
 
2007年~
国連
 
 
 
 
 
大学卒業後、旧海外経済協力基金(OECF:現国際協力銀行)に入行しました。その中で、南カリフォルニア大学の大学院でMPA(公共経営学)とMacc(会計学)を学べる制度を利用して、2年間留学しました。

 最初は「会社のお金でアメリカに行ける、ラッキー!」なんて思っていたんですけど、留学期間が2年と決められていたので、やれるだけやろうと本来3年で取得するプログラムを、2年で取得。自分でもビックリするくらい猛勉強の日々でしたね。


 その合間にも会社に掛ける費用面での負担を減らそうと、大学の日本語学科でアシスタントをしたり、アメリカで働く経験をもとうと交通局でインターンをしたりと、とにかく忙しかったけれど、カリフォルニアの気候のせいか毎日が楽しかったという記憶しかないですね。

 卒業時、もらった称号は「パーティアニマル」。いわゆるアメリカ的な意味合いでの「遊び人」(笑)。勉強もプライベートも充実した留学生活だったと思います。

 
 
 
そして帰国後、財務省との予算折衝などを担当しましたが、大学院で学んだ経験をもっと経営に近い場所で活かしたいと考え、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に転職したんです。しかしそこで生まれて初めて挫折というものを味わいました。

 上司に自分の出した資料を「何これ?何が言いたいの?」と目の前で捨てられたんです。その日の夜くやしくて涙が止まりませんでした。 たぶん大学→行政機関→留学というキャリアに『オレって結構イケテルじゃん』って自信があったんでしょうね。それがいい意味で崩れた瞬間でした。

 それからここで学べるものは全部学んでやろうと3年と期限を決めて必死で働きました。ちょうどコンサルティング事業の変遷期でもあったんですが、戦略だけでない、僕の強みを活かせる実行型のコンサルティングも重視されるようになったんです。
平たく言うとビジネスと言わずに、「商売」のイメージです。いくら頭で戦略をカッコ良く考えてもそれを実行しないと意味がない。それをいかに実行させるかを突き詰めて提案してこそ、付加価値のある結果につながるという、今考えれば、当たり前のことですけど。

 それに実際に様々な案件(プロジェクト)を担当し、そこで経験した学びをつなぎ合わせていくと、留学中に勉強した組織論などにつながっていったんです。自分自身で経験する個々の事象と、留学で学んだ理論とが腹に落ちた瞬間でしたね。クライアントへの提案が理論的にかつ具体的に少し見えるようになってきたんです。そしてクライアントへの付加価値を徹底的に追求していくうちに、多くの場合、課題がいくつかのパターンに分かれるんですが、組織を支える根幹を見直す必要があるのでは、と。そしたら、自分でも実際にやってみたいと思いましたね。

 
 
 
そうしているうちに、僕の次の興味は「ユーザーや消費者に近い距離で仕事がしたい、事業をしたい」というところへ向いて行ったんです。中でも新しい付加価値を生む商売、今までにないライフスタイルを提案できる事業に携わりたいと思うようになりました。

 人材紹介会社を通じて、現在のローソンの社長と面談の場を頂いたんですが、
「何がしたい?」「やる覚悟はあるのか?」「結果は出せるのか?」「お前は人と何が違うのか?」「日本をどうしたい?」という話を1時間半くらいしましたね。社長面接一発。具体的な今までやってきた仕事内容などの話ではなく、逃げない強さがあるかといった人間性を見ているという感じでしたね。

 ナチュラルローソンの現場に入って、留学の経験は不利だなと戸惑うことがあります。
今まで「個」の強みを活かし、結果重視の仕事が中心でしたので疎かになっていたのですが、組織に入ると、特に小売業の場合、規律やマニュアルがとても大事。そしてそのマニュアルに沿ったサービスが最も利益を生みだすんだということを実感しています。実はこれが分かっているようで、本当に理解ができるようになるまで相当時間がかかりました。 カタカナ言葉が多くなりすぎるのも注意ですね(笑)。
 海外ではなかなか日本ではできない経験ができる分、自分自身に自信を持てると思います。しかし、留学経験を決してプラスばかりだとは思わない方がいい。当然マイナスな面もあるかもしれないと、様々な角度から柔軟に物事を捉えられれば、きっと今まで見えなかった社会が見えてきます。就職活動は人生の転機。新しい自分発見のチャンスを逃さないで欲しいですね。

(2007年12月、国連に転職されました。)