2001年
タウソン大学
 
 
2005年
株式会社ジェーシービー
 
 
 
 
 
もう3年も前になりますが、本格的な就職活動はアメリカの大学を卒業して日本に帰国してから始めました。ただ、そのための準備は、留学生時代から意識して取り組むようにしていました。なにより、「就職」を一番最初に意識したきっかけは、2002年の秋学期にイベントスタッフのアルバイトとして参加した留学生向け就活イベントでした。このアルバイトは当時の留学カウンセラーから紹介を受けて、ちょっとしたお小遣い稼ぎの気持ちで参加したものでした。でも、この経験の最大の報酬はアルバイト代ではなく、先輩留学生がどのような姿勢で企業にアプローチしていたかを知ることができたことでした。当日は企業のブーススタッフとして参加者に声をかけやすい立場だったので、世界のどの地域でどんな勉強をしているのか、フォーラムに参加する前にどんな企業研究をしているのか、エントリーシートや面接でどんなことを伝えたのかなど、「2年後自分がこの場にいたら」を想像して先輩の声を聞いてまわりました。その中で、自分も学生のうちに必ずやっておきたいと思ったのが「インターン」でした。快く履歴書を見せてくれたり、アドバイスをくれた先輩たちが自信を持って話してくれたのがこの「インターン」だったからです。結果、卒業するまで日本とアメリカで、それぞれ職種や業界の違った3つの職場でインターンの経験をしました。証券会社のアナリスト業務、製薬メーカーの経理業務、ベンチャー企業では、何でもやりました。受け入れてくださった企業や担当の方には今でも本当に感謝しています。どれも魅力的な職場と担当業務だったので、実際の就職活動では、面接を受ける企業に合わせたポイントでインターン経験をアピールできたと思います。ほかにも、フランスに語学留学してみたり、専攻科目のチューターアルバイトを1年半続けてみたり、大学の日本人学生会のリーダーを務めたり、留学生の時間と場所をフルに使っていろいろな経験を積んだこと全部が、就職活動の準備になったと思っています。

 
 
 
僕の就職活動の夏は2回ありました。3年生と4年生の間の夏休みに一時帰国したときと、卒業して帰国した後です。最初の夏は「東京で就職活動をする感覚」を磨くために、業界や業種も全く絞らず、就職フォーラムで出会った企業にとにかく出向いて行きました。この夏の成果は、フォーラムでの簡単な面接があって、筆記試験があって、社屋での面接があって、という留学生向けの就職試験の流れを知ることができたことと、面接で繰り返し聞かれた「なぜ留学したのか」「留学して何をしたのか」への回答に自信を得たことでした。ただ、その夏に採用が決まっても入社まで長く時間が空くことから、その夏の就職活動はそこで保留として、アメリカに戻りました。

 本番の夏は、卒業後の2005年6月の就職フォーラムから、専攻していた会計財務の職種を切り口に「事業会社で資金調達のためのIRの仕事がしたい」という思いで気になる企業を探しました。ただ、最初の夏と同じく、新卒のうちに世の中の会社をたくさん見ておきたいという思いもあったので、フォーラムでは職種別採用をしていない企業のブースにもたくさん訪問しました。また、選考が進んだ企業については企業ホームページのIR情報を読むなど社会勉強をしながら就職活動をしました。そうしてある就職フォーラムで出会ったのが、現職のジェーシービー(以下、JCB)でした。

 
 
 
JCBと出会ったとき、素直な印象は「聞いたことはあるクレジットカード会社」でした。ただ、自分とのつながりを探すと、留学を決めたときに勉強したいと思っていたのは国際通貨や世界経済だったことや、アメリカでは普段買い物をするときも帰国便のチケットを取るときもクレジットカードだったことなど、いろいろとエピソードが思い浮かんだ勢いで、その場の面接を受けてみることにしました。その面接では当時の採用担当者に「IRの仕事をしたいと思って就職活動しています」と話すと、「JCBは上場していませんよ」とあっさり言われましたが、「JCBなら、マーケティングや新規ビジネスを考えたら面白いかも」と直感で気持ちが切り替わって、次の選考に進みたいと強く思いました。大学でEコマースや国際経営などのビジネスのクラスで学んだ経験から、「JCBは大手のクレジットカード会社としてたくさんの「顧客情報」を保有している。また、カード会員や加盟店といった種類の違うお客様が、日本をはじめ世界中にたくさんいらっしゃる。」という魅力にひかれていたのです。

 でも、最後の選択はとても悩みました。JCBとは別に、本気で行きたいと思っていたメーカーが1社あって、そちらはやりたかったIRの仕事を提示してくれていました。専攻の延長線上の仕事に就くか、それとも直感を信じてマーケティングで社会人を始めてみるか。これは本当に大きな人生の選択肢だったと思います。しかし、最終的にはJCBに決めました。この結論に導いてくれたのは、ある先輩社員との出会いです。内定後に社員訪問を希望して出会った先輩なのですが、その場で話にあがった仕事の内容や会社の雰囲気、そして先輩自信の人柄から、「自分も絶対こんな社会人になりたい」「JCBはこんな憧れの先輩になれる環境なんだ」とJCBの「人の魅力」に心底感化されたのが決定力でした。「人」の軸で自分が働いている姿をイメージしたとき、それは「職種」で社会の入り口を選ぶよりも、成長できる可能性が幅広くて、さらに毎日楽しいのではないかと、この出会いによって僕の就職活動の結論となりました。「JCBに来いよ」とは一言も言わずに、それでも、僕がそうだったように、学生に自分のいる環境を選ばせてしまう。自分もそんな先輩社会人でありたい。その出会いからずっと思っていることです。

 
 
 
入社前は漠然と思っていただけでしたが、「誰と働くか」は、「どんな業務をするか」よりも重要であると、実際に社会に出て思っています。そういえば、大学の授業でプレゼンテーションのチームを組むときも、「プレゼンテーションのテーマが何か」よりも、「どんなメンバーで取り組むか」がその授業から学ぶ内容を決めたと思い出します。話がずれましたが、僕は他社の友達や学生から「JCBの魅力は何ですか?」と質問されたら、「人」と答えます。仕事上で成功体験を得る機会だけではなく、温かく見守る意味で、失敗を経験する自由までも与えてくれる上司や先輩。ちなみに最近やっと、敢えて厳しい態度を示してくれることに、「育てられる愛情」を感じられるようになりました(笑)。それから、営業先への同行では頼もしく、プライベートでも仲の良い同期や、チームに貢献しようと、必死に努力して勉強する後輩。誰もが社会人としてのお手本であり、その人間を好きになってしまう素直な人たちです。

 
 
 
僕は入社以来、ファイナンス本部に所属しています。このファイナンス本部は、クレジットカードに付帯している「お買い物のお支払いを2ヶ月以上に分散させる」サービスである「リボルビング払い」と「分割払い」や、「クレジットカードで現金を借り入れる」サービスである「カードローン」「キャッシング」(※上記4機能合わせて、ファイナンス機能)を既存のカード会員様向けにプロモーションするマーケティング業務を主管しています。また、ファイナンス機能に関わるコールセンターの運営や、提携ATMの管理業務も行っています。僕は昨年度まで、「カードローン」機能専用のカードである「ローンカード」のプロモーション担当として、商品紹介や入会キャンペーン告知のためのインターネット広告、紙面広告、同梱広告など、新規会員募集のための様々なマーケティングプランを企画、実行していました。現在は、ファイナンス商品のご利用可能枠の増額に関するマーケティング業務と、本部全体の予算管理業務を担当しています。

 この本部でのやりがいは、「与信」という経済的価値を世の中に提供していることを実感できることです。もちろん1回払いでも現金を持ち歩かなくて良い「安全性」や「利便性」といった機能的な価値や、ゴールドカードなどの「ステータス性」やポイントが貯まる「お得感」がありますが、ファイナンス機能は、日常生活の比較的高額な支出に対する資金調達の選択肢を広げる価値を提供しています。この価値をより多くのお客様の生活に役立てていただけるよう、適切なお客様に、適切なタイミングで、適切な方法により提案するマーケティングプランを設計することがやりがいです。

 
 
 
将来的には、採用の仕事をやってみたいと考えています。自分が今JCBで働いているきっかけは、採用のタイミングで憧れの先輩を見つけることができたことです。その出会いのおかげで、そのときイメージしたように、チームの上司や先輩や後輩に恵まれ、担当の仕事にやりがいを感じながら日々職務経験を積むことができています。これは、本当に幸運だし、感謝したいことです。そして、JCBでのキャリアを考えると、そんなきっかけを提供できる先輩社員として、学生などの就転職希望者へのJCBの顔となりたいと思っています。そのために今できることは、ふたつあると考えています。まずは、入社以来自分のフィールドとしているファイナンス事業を成長させるべく、自身とチームのマーケティング力を磨くことです。今あるものよりさらに魅力的な事業に育てられてこそ、魅力的な社員だと考えます。ふたつ目は、後輩社員に、良くも悪くもひとつの通過点としての「先輩像」を見てもらうことです。実はちょうど今、今年4月に入社した新入社員のOJT指導員を任されています。入社したては真っ白に見えたこの後輩と、個人としてどんな才能を引き出しあっていくか、チームとしてどんなゴールを共有していくか、お互いの成長が楽しみです。指導しようとして指導されてしまう毎日ですが、この機会もひとつの材料として、自分自身が「JCBの人の魅力」を伝えるメッセンジャーであれるよう、これからも努力していきたいと思っています。