語学力や、学校での専攻（メジャー）はどの程度、就職活動において武器となるのでしょうか？　また、どのようなアピールを行うことが有効なのでしょうか。

　第一回で、多くの企業では留学生を特別扱いしないことをお伝えしました。つまり、就きたい仕事に関連した勉強をして、必要なら資格を取得しておくことは基本中の基本と言えます。特に、今後日本で需要が見込まれる分野（不動産鑑定等）、専門人材の数が不足している分野（コンピュータサイエンス等）であれば、アピールしやすくなります。しかし、実際にこういった専門性の高い分野の勉強をしている人は少ないでしょう。

　また、語学力をアピールするのも楽ではありません。職種にもよりますが、英語を武器に使いたいならTOEICで最低700点、出来れば800点以上は欲しいところです。600点程度だと、国内学生でも多くの人が取っていますし「わざわざ留学した割には・・・」と思われるリスクがあります。

　では、アピール材料で頭を悩ませている、多くの方はどうすればいいのでしょうか？　実は、今日の日本企業が直面している、ある大きな課題がヒントになります。それは「メンタルヘルス」の問題です。新卒や若手を採用しても、ストレス耐性が低くすぐ辞めてしまう。あるいはうつ病になってしまうというケースが近年激増し、日本社会の大問題となっているのです。採用選考時に何とかしてメンタル面の強さを測りたいと多くの企業が考えており、裏を返すと単純に「ストレス耐性が高い」と思われるだけでも、就職は有利になります。同じ能力ならもちろんのこと、多少経験や学歴が劣っていてもストレス耐性が高いことを人事担当者にアピール出来れば、大きなアドバンテージとなります。

　みなさんは留学生である時点で、この点では有利と言えます。異国で生活しているだけで、日本にいるよりストレスは強いはずです。出来れば「日本ではあり得ないこと（なるべくストレスの高い環境）を経験し、そこをくぐり抜けた実績を作る」ことがベストです。例えば日本人が一切いないクラスに所属する、難しいプロジェクトのリーダーを買って出る、あえて日本人以外の友人しか作らないといったことを通じ、アピール材料を増やすのはもちろん、本当の意味でも自分自身の限界点を高め、ストレス耐性を強化しておきましょう。